2022.06.19 11:57ご返信作品へのコメントやweb拍手の返信を掲載します。マシュマロの返信は基本的にTwitterで行いますので、こちらで返信ご希望の方はメッセージ内にその旨を書いていただければ幸いです。また、返信不要だったり自分のメッセージは載せないで返信のみでいい、という方がいらっしゃいましたらそちらも記述ください。どれもありがたくメッセージ読ませていただきます。是非お気軽にどうぞ♪※掲載順は降順です
2022.06.19 08:04中編可愛くて、やぶさかではない可愛いものが大好きだけど秘密にしてる一匹狼と、ぬいぐるみを作りたいド不器用な男と、可愛い師匠な弟の話です。・創作BL ・ツンデレ攻め ・強面攻め ・美形×平凡 ・平凡受け
2022.06.19 07:19【きれいに咲きますように】1「枯れちゃったんだ、俺のやつ。……どうしよう」「えっ」 じりじりと強い日差しが俺達を照りつけていた。まだ午前だというのに、とっくに夏の陽気がこの街を覆っていた。 俺は手にじょうろを持ったまま、小学校で貰う定番の青い植木鉢を背に、焦っている千晶の顔を見た。「最初は水やってたんだよ!でも、1日忘れると、それからずっと忘れちゃって、……気付いたら、全部小さくて茶色くなってて」 初めての夏休み。学校からは、朝顔の観察日記の宿題が出た。朝顔が開花するまでは必ず書きましょう、と先生から言われていたので、元々植物が好きな俺は生真面目に水やりを朝夕やって毎日日記をつけていた。きっと、もうすぐ最初の花が咲く頃だろう。 どうやら、千晶の方は順調にいかなかったようだが。「...
2022.06.19 07:16みんなのもりあわせ【中1後期 すれちがい】 廊下の奥の方で、ドサドサッと何かが大量に落ちる音がした。 音がした方に目を向けると、恐らく1クラス分の量の課題と思われるノートやプリントが床に散らばっていた。 小さな背中が、よろよろと落ちた物を回収し、彷徨っていた。 遠くからでも分かる。旭の姿だった。 俺達はもう数ヶ月も口を聞いていない。それどころか、最近は対面すらもしていない。 だから、そんな状態で手伝いに行くのはとても気まずい。俺は見なかった事にして、踵を返した。 ……かったが、そんな事はできなかった。 旭がいない所であんな酷い事を言っておきながら、目の前で困っている幼馴染はやっぱり放っておけなかった。 俺は旭のいる所までずんずんと歩いて行った。幸いな事に、周りに俺の友達...
2022.06.19 07:148【勝てますように】1 高校2年生というのは、穏やかなようであっという間に時が流れていく。 瀬戸くんや林くんと共に日々を過ごすのは楽しくて、気がつけばもう夏休み前に差し掛かっていた。 千晶の部活が終わるのを待ち、一緒に下校していた。すると千晶は言い難そうに改まって俺に話しかけてきた。「あ、あのさ」「うん?」「大会、夏休み入ったらあるんだけど、観に来ない?」「え……」「市内でやるから、あの、行ける距離ではあると思う」 陸上競技の大会が近々あるそうだ。確かに、毎年この時期になると運動部は大会で忙しくなるイメージがある。 そして、俺は去年同じ時期に同じように千晶から大会に応援に来ないかと誘われて、断ってしまった。その時の事を思い出して、俺は言い淀んでしまった。 千晶はそんな俺を...
2022.06.19 07:12うかうかしないでよね1 綺麗な子だと思った。 見た目とかではなく、心の話。 2ヶ月程、彼を観察して抱いた印象だった。 中学生と言ったら、何を想像するだろうか。 いろいろあると思うけど、俺は真っ先に『思春期』と答える。まあ、俺もその頃は中学生だったから絶賛思春期だったのだけど。 1年前までは小学生気分が抜けてなかった子達も、大人やちょっと悪いものに惹かれて、それを真似する。少し羽目を外して先生に怒られて、楽しむ。わざと見せつけるように、卑猥な会話をする。人目を気にして、格好つけたがる。身近な大人に反抗する。 これ全部、俺の周りの人達の変化だ。分かる分かる、と思いながらその人達を達観していた。 対する俺は、「そういう事は絶対にしたくない」と思っていた。 ある意味、俺なりの反抗...
2022.06.19 07:107【なかなおりできますように】1 小学生の頃の事だった。 授業が終わり、放課後走って帰宅した。家に入るなり、リビングにいたお母さんに抱きついて俺は泣きながら喋った。「ひっ、うっ、千晶と、喧嘩したあ〜……」 お母さんは一瞬驚いた顔をして、それでも当時まだ泣き虫だった俺の対処はお手の物といった感じで、背中を撫でてくれた。俺はよく泣く子だったけれど、千晶と喧嘩して泣く事は殆ど無かった。「なんで喧嘩したの?」「……千晶が、みんなとサッカーするから、旭もやろって言って……。ほんとは、今日は俺と虫取りに行こって、先に約束してたのに」 その時俺はお父さんに新しい虫かごと網を買ってもらったばかりで、その日虫取りに行くのをとても楽しみにしていた。「旭は、一緒にサッカーしなかったの?」 母は俺を許容す...
2022.06.19 07:076【もっと大切にできますように】1「初詣行かない?」「初詣……」「あ、人多いの駄目?」「ううん。大丈夫……行きたい」 今日は1月1日。朝からお母さんとお正月の特番を見ていたら、千晶から電話がかかってきた。 初詣のお誘いだった。俺は一緒に行くことにした。 千晶と喋るようになってから1年弱ほど経ち、俺も前よりは素直に千晶に反応できるようになった。人混みが嫌という理由で千晶からの誘いを断った時が懐かしい。 1時間ほど待つと千晶が家に来てくれた。「おはよ!あけましておめでとう。今年もよろしく」「あ、あけましておめでとう……ございます。今年もよろしく……お願い、します」「ふはっ、改まってる」「だって、こういうのあんまり言ってこなかったから……」「丁寧でいいと思う……ふっ」「笑わないでよ」「ごめ...
2022.06.19 07:055【あさひはいいこにしてました】1 文化祭も終わり、あっという間に時が過ぎ、12月になった。 今はテスト期間の最中なので、部活の無い千晶と一緒に下校している。「でさ、朝練早すぎて授業中寝ちゃって、気付いたら終わってて、そいつに『ノートとれてないうえに字読めないんだけど!?』って怒られてさ」「ははっ、古典って普通に授業受けるだけでも眠たくなるから仕方ないよね」「だよな!?あのおじいちゃん、喋り方もすげーゆっくりだしさ……」 どうやら千晶の授業態度はあまり芳しくないようだ。勉強の方は大丈夫なのだろうか……。 この後、俺達は一緒に俺の部屋でテスト勉強をする予定だ。 俺達は、文化祭で中学3年間のわだかまりを解消して、仲直りすることができた。 かと言って、何かが大きく変わったという訳では無かっ...
2022.06.19 07:03その手を掴み直して1 約3年ぶりに対面した幼馴染は、まるであの頃のままタイムスリップしてきたみたいに変わっていなかった。「あ〜、旭、身長伸びたな」「うん。でも、ちょっとだけだけど……」 旭は忙しなく目線を泳がせ、居心地が悪そうにそう答える。 身長伸びたな、と言ったものの、俺の目からすると、ほんの少しという感じだった。 声も、あまり変わっていない。 3年だ。俺達が離れていた期間は3年もある。 多分成長期が遅いのだろうが、それにしたってあの頃と変わっていなさすぎる。 まるで、旭だけあの頃のまま閉じこもっているような気がして、胸が痛くなった。 俺は、もう二度とこの幼馴染を手放さないと決心している。2 俺達は物心つく前からずっと一緒だった。友達というか、ほぼ家族のよ...
2022.06.19 07:004【来年は一緒に溢さず飲めますように】1「ううっ……ヒッ……うぅ……」 俺は昔から方向音痴で、よく迷子になっていた。 どうやって進んで来たのか、どこに向かえばいいのか、振り返ると分からなくなるのだ。 その日は、千晶とクラスの子数人とで一緒に外で遊んでいた。かくれんぼをする事になり、鬼は千晶だった。俺は絶対に見つからないように、とはしゃいでかなり遠くまで逃げてしまった。 そして、ちょうどいい隠れ場所に隠れた時に、ふと「ここはどこなんだろう?」と考えてしまった。 多分、誰もこんな所まで行ってると思っていないだろう。ここまで来ないかもしれない。 見つかりたくないから遠くまで来たのに、見つけて貰えないかもしれないと思うと酷く不安になった。 元の場所に帰ろうと思い歩き出したが、どこから来たのかが全く...