2024.05.06 09:06ゴコイチが肝試しに行った話⚠注意⚠整合性がなくなったので非公開にしていたやつです。ゴコイチが中学時代に肝試しに行く話です。が、本編では一応この時期は三好が荒れていてこんな展開にはなっていないはずなので、これは別世界線ということにしておきます。
2024.05.06 07:27拗らせ男と捻くれ男のハッピー逃避行(結果論)310 射手矢の場合⑤「で、ケータリングのお土産持って帰って渡したら、早乙女が目輝かせててさぁ。昔一回だけ友達から貰って食べたことあるお土産だったらしくって、それが美味しかったのが記憶に残ってたけどなかなか食えないから嬉しいって……さぁ……そんなの俺がいくらでも買ってやるんだけど。つーかその友達誰だよ、俺知らないんだが!?」「うるさっ、クレッシェンドやめろよ……」「あと部屋の浴室のシャンプー切れてたみたいで、早乙女が扉から顔だけ出して気まずそうにシャンプー無くなった、って言ってたの、マジメッチャ良かった。と同時に、俺が紳士で良かったなとも思った。警戒意識が無さすぎる。まだそこらへんの女子小学生の方が警戒心あるだろ」「男にそこまで思わねえよってか本当にうる...
2024.05.06 07:23拗らせ男と捻くれ男のハッピー逃避行(結果論)26 射手矢の場合③「芸能科の寮生の部屋ってみんなこんなもんなの? 差別じゃない? 平等な学生の人権にここまで差をつけてもいいもんなの?」「うるさいブス黙れ」「お前は会話もできないの? 全部顔に持ってかれたのか?」「うるさいブス追い出すぞ」 チッ! と舌打ちした音が聞こえてきた。表情は見れない。なんせ、俺は早乙女の顔を見れないから。見れるわけない。俺の部屋に、早乙女がいる。なんのために早乙女が俺の部屋に来たかと言うと。「俺どこで寝ればいい?」「……」「……え、なんだよ」「……」 俺は早乙女に背を向けたまま逡巡した。どこで寝るって、一択しかないだろ。金がある家の生徒にしか許されないこの無駄にデカいベッド、なんのための無駄なデカさだと思ってるんだ。なんのため...
2024.05.06 07:19拗らせ男と捻くれ男のハッピー逃避行(結果論)11 早乙女の場合① 江戸幕府を治めた十五人の将軍すら名前を覚えられないのに、幼少期の数年間に見ていた戦隊ヒーローたちの名前は系列順で全て言える。授業で習った小難しい数式は数カ月もたてば思い出せなくなるのに、小学校低学年でやった国語の話は今でも冒頭を暗唱できる。親に言われた小言のひとつやふたつ、数分のうちに忘れるのに、幼稚園で描いた親の似顔絵を大層褒められたことは鮮明に記憶に残っている。 つまり、ガキの頃の経験や知識や言葉というのは忘れようにも忘れられないものも多く。『こっち見んなブス』 小学三年生にしてこんな事を言われてしまった俺は、当時のやわやわな柔軟すぎる心にその言葉が深く突き刺さってしまい、高校生になった今も心の形が変わったままだった。 そうか、...
2024.05.06 07:16関係とかなんでもいっか1 ずっと一緒に暮らすって。ずっとって、いつまでだろう。「あっ、ましゅうくん!」 偶然廊下ですれ違うことができた俺の可愛い弟に声を掛けた。両隣には真秀くんのお友達がいる。大学生になってもちゃんと交友関係を築けているようで、兄としては安心する。「あの、実習で作ったんだ、これ」 バッグからクッキーを取り出した。栄養学部なので、授業に調理実習もある。今日はカロリーや糖質を抑えたクッキーを作った。調理実習で作った物は、大体真秀くんにあげることにしている。真秀くんはじっと立ち止まったまま、両隣にいるお友達がうまそう、いいなと感想を溢していた。「俺今日バイトで帰り遅いから、今のうちに渡したくて、えっと……、夜ご飯は作り置きしたやつ冷蔵庫にあるし、チンして食べてて」...
2024.05.06 05:37はんぶんこ普通の味1 カレンダー的に言うと、今日は特別な日に違いない。 そんな日にも関わらず俺の両手はスカスカに空いていて、俺の身の回りからあの幸せな香りが漂う事もなかった。「まあつまり俺はいつも通りの装備ですが」「……いるか?」「余計惨めじゃん。いらないです」 俺の横にいるこの男は片方の手を持ち上げて俺の顔を無表情で見つめた。彼の両手には保健室で貰ったらしい特大のビニール袋が提げられている。保健室て。袋の中にはいろとりどりのチョコレート菓子が。一つ一つのラッピングはとても可愛いのに、それを覆うビニール袋のせいで台無しだ。「[[rb:容 > よう]]くん、高校生になっても凄いね。むしろ去年の記録更新したんじゃない?」「中学は菓子類の持ち込み禁止で没収されたから何も...
2024.05.06 05:33晴れ、曇りに即す 下9「今日ねー、新しい地酒仕入れたから、これね。もしも開店までにポップ作れたら作っといて。あー、今日のおすすめのとこにも書いてくれたら嬉しいかも」「うす」「あと新しいエプロン届いたし、上のとこあるから持ってっていいよ〜」「うす」「……安曇くん、なんか姿勢おかしくない?体調悪いの?」「へっ!?」「あっ、分かった!昨日やらかした事引きずってるんでしょ!」 俺は大袈裟にぎくー!っと肩を跳ねさせた。店長は俺を見て笑っている。ある意味、物理的に引きずってるけど!「大変な目に合ったねえ。でも大丈夫!あんまり気にしちゃ駄目だよー」「あはは……はい、あざす……」 店長の優しさが今は心苦しい。俺は苦笑いを浮かべながらさりげなく痛む腰を擦った。 昨日……いや、日付が変わって...
2024.05.06 05:29晴れ、曇りに即す 上1 俺の過去最悪トップ3。 1つめ、骨折した時ギブスの中に虫が入って来て暴れた反動で重症化したこと。2つめ、元カノが俺の弟と二股してたこと。3つめ、せっかく入学した大学に馴染めず単位も足りず留年して休学して親に迷惑をかけた挙句、中退したこと。 昔からついてない人生だった。多分、そういう星の元に生まれてきたのだ。もういい年だし、粛々と日々を過ごそうと思っていた矢先。 俺の過去最悪をたった今大幅に更新した。「……………………」「……………………」 あんなに賑やかで華々しかった空間が、波を打ったみたいに静まり返った。原因は、俺が目の前の男に頭からビールを被せたから。「ごっ、ごめっ、ごめんなさい……ごめんなさい、ほんと……」 未使用のおしぼりを用意しながら、平...
2024.05.06 05:15うやむやプラズマ1 俺のクラスには可愛い男が二人いる。一人は俺の親友と、もう一人は俺。ここでの可愛いとは顔のつくりの事を指す。「はい、あーんして、あーん」「恥ずかしいって」「……イヤなの?」「ああもう、そんな顔しないでよ、食べるから……」「んふへへ、あーん」「あー……」 教室に、苺の乗ったショートケーキ。多分ケーキの方もここで食われるんか、と思っているだろう。なかなか不釣り合いだ。 可愛い可愛い俺の親友__[[rb:琴奈 > ことな]]はやや恥ずかしそうに口を開けて、フォークに刺さっているケーキを食べた。俺の差し出したフォークから、ぱくっと。一口でいったそれは琴奈の口には大き過ぎたらしく、口の中に入り切らなかった生クリームが口の周りに付いてしまった。 まあわざと...