2025.06.04 06:56たくみくん、僕のこと守ってお題:ぼんやり大人しい弟×過保護な兄1 あまりにも現実主義すぎる両親の元に生まれたがゆえ、俺は三歳の時に抱いた「バクオンジャーになる」という夢を数日の内に諦めたらしい。そんな職業はない、と言われたから。その数日後に掲げた「宇宙飛行士になる」という夢も却下された。現実味がないと。その後も俺はなにをヤケになったのか、三歳が考えうる最大限の夢を両親に提案してみたが、全て没案になった。公務員とでも答えればよかったのだろうか。 そんな中、数ヶ月後に俺のたった三年しか生きていない人生を変えてくれる出来事が起こった。俺に、弟ができたのだ。 普段感情の起伏があまりない母が、その腕の中に産まれたばかりの小さな生命を抱いて、珍しくも柔らかく微笑んだ。「巧も今日からお兄ちゃ...