2025.10.26 08:05あなたのための精神的仮病お題:自身が病弱なことを逆手にとってグイグイ迫る攻め×真面目な受け1 俺は昔から体が弱く、ありとあらゆる病や体調不良を一年間でコンプリートしてしまうくらいの免疫の無さだった。季節の変わり目には確実に風邪を引くし、低気圧で頭はやられるし、いろんなアレルギーにひっかかるし、勿論流行り病にも誰よりも早く感染する。 特に俺の小さい頃は病弱そのものだった。 遡ること、小学五年生のとある夏休みの日。 その日は内輪の中で大事な日だった。 お盆前の、いろんな家庭が親戚の家に遊びに行ってしまう前に、俺の幼馴染であるトモはクラスの友達を招集しようとしていた。 トモが何を企んでいたのかと言うと、校区外の廃ホテルの探索だった。 当時校区外に有名な廃ホテルがあり、そこの一室にあ...
2025.07.07 13:00プリンは今度作ってくださいお題:主人と執事もの(独自設定 使用人×主人)1 貴族から華族へ名前を変えた上流階級や、莫大な資本・資産を有している財閥は今もなお日本に残っている。それらは日本のトップに立ち、政治や経済を動かしている。平等な世の中ではない。明確に身分の差は存在する。 俺、石井爽(そう)は、鳳(おおとり)財閥の第四子、鳳希一(きいち)様の専属の使用人として仕えている。「暑い」「暑いですね」「おかしいだろこの暑さは。まだ七月だぞ。八月はどうなるんだ」「じゃあ送迎を付ければいいじゃないですか」「運動不足で僕の美しさが曇ったらどうするんだよ」「鳳家から学習院までたったの500mほどじゃないですか……。歩いても歩かなくても変わらないです。変に意地張らないで車を出してもらいましょ...
2025.06.04 06:56たくみくん、僕のこと守ってお題:ぼんやり大人しい弟×過保護な兄1 あまりにも現実主義すぎる両親の元に生まれたがゆえ、俺は三歳の時に抱いた「バクオンジャーになる」という夢を数日の内に諦めたらしい。そんな職業はない、と言われたから。その数日後に掲げた「宇宙飛行士になる」という夢も却下された。現実味がないと。その後も俺はなにをヤケになったのか、三歳が考えうる最大限の夢を両親に提案してみたが、全て没案になった。公務員とでも答えればよかったのだろうか。 そんな中、数ヶ月後に俺のたった三年しか生きていない人生を変えてくれる出来事が起こった。俺に、弟ができたのだ。 普段感情の起伏があまりない母が、その腕の中に産まれたばかりの小さな生命を抱いて、珍しくも柔らかく微笑んだ。「巧も今日からお兄ちゃ...